<読売新聞>社会面トップ

 
京都市教委幹部らがタクシー券で不正、祇園から帰宅も

 京都市監査委員は9日、2007年度に市教委事務局の幹部職員8人が深夜帰宅用のタクシーチケットを不正使用したとして、門川大作市長に対し、計117件、49万7660円の返還を8人に求めるよう勧告した。不正使用の中には、祇園や先斗町など繁華街からの深夜帰宅のケースが8件あったという。市教委は「勧告を厳粛に受け止め、すみやかに返還するように該当職員に指導する」としている。
 市民団体が今年8月、住民監査請求を行い、市監査委がタクシー会社の乗車記録などを調査していた。
 発表によると、当時の教育企画監(現教育次長)や総務部長、総務課長ら。最多は企画広報係長で24件、16万5750円。
 117件のうち、認めていない終電時間前の利用が103件あった。深夜に繁華街から帰宅していたのは3人で、総務課職員は07年9月、午前2時20分に祇園から乗車するなど計5件あった。
 調査対象とした522件のうち149件の乗車地が実際は、繁華街などだったが、チケットには「市役所から」と記入し、虚偽報告していたという。しかし、市監査委は「議員や団体代表らと会うなど仕事をしていたのもある」と判断。すべてを返還請求の対象としなかった。
 また、148件については、タクシーチケットの半券に乗車区間が記載されていないなどで調査できておらず、来年2月までに再調査する。
 監査請求した市民団体「『心の教育』はいらない!市民会議」の北上田毅さん(62)は「タクシーチケットの乱雑な使い方が、まかり通っていた。勧告は画期的で、大きな前進だ。不適正使用の大部分が、門川市長の教育長時代のもので、門川市長の責任は重い」と話していた。(2008年10月10日  読売新聞)

<産経新聞> 1面
 
タクシー券不正使用 局長級ら、50万円返還勧告 京都市教委

 京都市教委職員の深夜帰宅をめぐり、タクシーチケットの基準外使用があったとして、市監査委員は9日、当時の局長級幹部ら8人に対し、平成19年4月〜20年3月分の利用料金計約50万円を返還させるよう門川大作市長に勧告した。課長級以上が72件あったほか、歓楽街の祇園から乗ったにもかかわらず、乗車場所を市役所としていた例も多くあったという。市教委は追加調査を行い、処分を含めて検討するが、市教委トップの教育長は19年12月まで門川市長が務めており、組織ぐるみのずさんな管理体制が批判を呼びそうだ。
 市監査委員は住民監査請求に基づき、当時の教育長ら11人ついて「深夜帰宅」名目のチケット利用522件約203万円分を調査。うち、終電前に業務が終了しているにもかかわらず終電後に使われたものが82件、終電前に乗車しているものが21件あるなど、計117件49万7000円を基準外使用と認定した。
 この中には、乗車場所が実際とは異なるもののほか、係長職員が時間外勤務手当を午前1時半まで請求しているにもかかわらず、「午前0時20分乗車」としている例もあった。
 また、乗降車地が記載されていなかったり、職員の記憶が不鮮明なものなど、証拠不十分なものが計193件残っており、監査委員は門川市長に、うち148件について追加調査を求めた上で、「順守を厳しく徹底すべき」としている。
 市教委は「連日深夜までの勤務が慢性化し、健康保持のため、終電より約1時間前の午後11時をめどにチケットでの帰宅を認めていた」と釈明。「勧告を厳粛に受け止め、速やかに返還したい」としている。

 

<毎日新聞>京都版

監査請求:タクシー券、「基準外使用」返還を 京都市教委8人、計50万円 /京都

 ◇京都市監査委員

 京都市教委の職員11人がタクシーチケットを私的流用した疑いがあるとして、京都・市民オンブズパースン委員会(中京区)のメンバーらが計約203万円を市へ返還するよう求めていた住民監査請求で、市監査委員は9日、当時の教育企画監ら8人の計約50万円を基準外使用と認め、来年2月までに市へ支払わせるよう門川大作市長へ勧告した。
 メンバーらは今年7月、総務課職員5人について監査請求したが、8月に教育次長や教育企画監を含む8人の07年度使用分と、同課職員3人の07年12月〜今年2月使用分について再請求していた。
 市監査事務局によると、チケットの取扱要領では、バスや電車の終電がない「他の公共交通機関の利用が著しく困難な場合」に、保管管理者から必要枚数を受け取り、チケットの半券に日付と区間、金額を記入。翌日に「使用報告書」へ半券を添付し、業務内容を書き込む。
 だが、乗車時間が終電前など、基準外使用と認定されたのが117件あった。さらに、半券を保存していない▽使用目的について職員の説明が不明確−−など、148件が証拠不十分として門川市長へ再調査を依頼した。
 結果について、メンバーの北上田毅さんは「多くが門川市長が教育長時代のもので責任は重い」と語った。一方、市教委の稲田新吾総務課長は「勧告を厳粛に受け止め、速やかに返還手続きを取る」とのコメントを発表した。【小川信】
毎日新聞 2008年10月10日 地方版
 
 
<朝日新聞>京都版

タクシー不正認める

 京都市教委事務局で不明朗なタクシーチケットの利用があるとして、市民団体「京都・市民・オンブズパースン委員会」が門川大作市長に対し、不正に使用した職員らにタクシー代を請求するよう求めた住民監査請求で、市監査委員は9日、一部に不適切利用があったことを認め、該当する職員8人に対し計約50万円を請求するよう門川市長に勧告した。

 監査委員は、市教委総務課の職員11人が07年度に深夜帰宅に使用したタクシーチケットなど522件を調査。うち8人が使用した117件(計49万7660円)が、終電前の利用など「基準外使用」にあたると判断した。チケットに乗車記録が記載されていないなど、判断ができなかったものも193件あった。

 調査の過程では、勤務手当の過払いとみられるケースも1件発覚した。

 監査委は、使用実態を確認する方法を検討することや、勤務実態を正確に記録することなどを求めた。

 京都・市民・オンブズパースン委員会の北上田毅さんは「当時の教育長として、門川市長は市民に謝罪したうえで、責任をとるべきだ」と話す。一方、稲田新吾・市教委総務課長は「適切な事務の執行に努める」とするコメントを出した。

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